幼い日、母に叱られたこと

今朝、小学校の校庭横を歩いていた時、ふと母に叱られた幼い日のことを思い出した。
確か小学校の低学年の頃、多分3年生ではなかったか、母と二人で歩いていた。タカラマーケットに向かっていた。角の天ぷら屋でイカの天ぷらをおねだりするのが常だった。いつものようにイカ天を物色していると、店のおばちゃんがおまけに何かをくれようとした。幼いcapは、なぜだかそれを頑として受け取らなかった。多分、母も笑顔で「あら良かったねぇ。」と喜んで貰うことを促しただろう。しかし、拒否した。
イカ天のお代を払い、天ぷら屋を離れて、母が激しく怒った。幼いcapはその激しさにたじろぎ、母に背を見せて駆け出した。母も追いかけた。
首ねっこを掴まれ、座り込んだ息子に、母はこう言った。
「子どもは遠慮するもんじゃない。おばちゃんはお前が喜ぶ顔を見たいから、おまけをくれようとしたんだよ。」
僕は泣いた。わけが分からず泣いた。
ふだんは、物を欲しがることをたしなめられているのに。


進められて貰うのと、欲しがって貰うことの違いが分かってなかったんだ。
以来、進められたら断らないが信条になった。