泉鏡花「高野聖」読了

明治33年に書かれた本。
明治33年といえばちょうど1900年かな。19世紀最後の年だ。
富国強兵の掛け声の下で貧しいながらも世界の一等国を目指して大陸進出の足掛かりを得んとしていた頃かな。
この頃の日本は必死であったから世界の潮流というか潮目というかそういうものを見失っていたんだと思う。だから誤った方向へ政治家が導いてしまった。当時のマスコミもそれに加担した。今と違って国際情報が全く分からない国民はただただ政治を信ずるほかなかったんだろうな。


噂や迷信や妖怪やお化け、魑魅魍魎が夜な夜な徘徊すると信じられていた名残りのある時代。
この本はそういう時代に生まれた。
坊さんが山の一つ家で美しい女人に心を奪われる。


この本は「i文庫HD」でダウンロードして読みました。
800円だけど、古書が沢山あって面白い。