高橋克彦「火怨」読了


征夷大将軍坂上田村麻呂蝦夷の戦いを蝦夷側から描いた長編歴史小説。時は平安時代初期の頃。
こういう本を読むと、僕らが習った歴史はほんのさわりであり、起きた事柄を表面的に知っているだけで、そこに生きていた人々の心や生き様に思いを馳せる事はなかった、ということを思い知らされる。


歴史は僕らに何を教えてくれるのか?
僕らは何を学び取ると良いのか?
そういう視点で歴史を眺めたことはなかった。
戦国時代の血湧き肉躍る興奮、武将たちの生き様、そういうものに目と心を奪われて、何も学んではいない。


僕らの先達はずーっと戦って来た。
何のために?
勝者は自分の富のために?
敗者は名誉のために?
愛する者のために?


そういう視点でもう一度歴史を振り返ることも良いな。
そう思った。