観劇:「アマテラス」


アマテラスを観劇したのでインプレッションを〜

鼓動の太鼓で開幕。
黄泉の国から戻ったイザナギが穢れの禊(ミソギ)から最後に生まれたアマテラス、ツクヨミスサノオが登場するも、一切の説明無し。
この劇が発する音は太鼓と鈴と横笛と琴、そして床を打ち鳴らす音だけだった。
なので、神話をある程度知る人でなければ、登場人物というか神が誰なのかは全く分からない。想像しようにも知識が無いとどうしようもない。
唯一アマテラスだけがその例外なのだ。


実際、一幕と二幕の間の休憩時間にソファで聞いた感想は、あれ誰?とか、意味不明〜とかだった。
物語としては、高千穂神社の夜神楽で演じられる天岩戸神話そのもの。


この劇はアート性を追求したものと言えるのかも。
出演者の舞であったり、衣装であったり、鼓動の演奏であったり。


二つの極端がこの劇を支えていると感じた。
それは、坂東玉三郎演じるアマテラスの「美」と鼓動の太鼓の「力」。


観客はシニアが多く、しかも女性が多かった。
クライマックスではシニアレディ達が身を乗り出して拍手をし、恍惚としていた。
クライマックスとは無論天岩戸が開かれてアマテラスが再びまばゆい姿を現すところ。
capとしては、アメノウズメが岩戸の前でエロティックに踊るシーンの方が良かったけれど。


声劇というものを初めて観た感想は、やはり声を聞きたかったというのが本音。
なぜ無声にしたんだろう。
鼓動とのコラボだからなのかもしれないと思った。
それにしても鼓動の舞にはダイナミックを感じられなかった。


スーパー歌舞伎ヤマトタケル」の方が面白かったな。
スペクタルな舞台演出には目を見張るものがあったし、台詞も面白かった。
芸術性はアマテラスが上でしたが。