20131027基山〜天拝山ハイキング

日曜日は、7世紀後半に築城された山城のある基山から九州自然歩道を歩いて天拝山、そしてゴールは二日市温泉の博多湯というコース。
この日は土曜日より更に遅い13時に家を出る始末。
いかんなぁ。これでは天拝山を下りる頃は真っ暗になるかもしれないと良くない予感。

JRけやき台駅から団地を抜けて九州自動車道を跨ぐ橋に行くと、なんと閉鎖されてました。
これはショック。
大迂回して自動車道をアンダーパスして基山に向かった。


基山のてっぺんからの眺めはなかなかのものでした。遠く英彦山が望めましたよ。


ここから九州自然歩道天拝山方面に小走りを交えて急いだのですが、今度は道を間違えて最短ルートを見逃し、けやき台よりも大きな大迂回をやらかしてしまいました。
林道を突き抜ける道があったはずなのにそれを探すことすらせずに林道を下り方向に進んでしまった。
教訓は、新たな道に出た時や分岐路では必ず地図で方向を確かめるってことをしなきゃいけないってこと。
急いでいたのでそれを省いてしまったのは大反省。
結果的に大幅なタイムロスになってしまった。


この日はつまづきっ放しでしたね。

筑紫野市総合公園を横目に天拝山登山道に入った時には既に日は沈み、辺りは夕張に包まれていました。

暗い登山道は危険だからやめようかとも思いましたが、ゴールの博多湯に一番早く辿り着く道はやはり目の前の登山道なわけで、そして、あの那珂川タコスハイキングで鶏唐揚げの「美味から」店主の言葉を思い出したわけです。
「僕は自衛隊出身なんですが、夜の行軍という訓練で真っ暗な山道を歩くんですよ。頼りは目の前の同僚のヘルメットの蛍光記章だけなんです。」
そうか、俺はライトを持ってるじゃないか。こうなることも予想してわざわざ取りにマンションに引き返して持って来たじゃないか。
そう自分に言い聞かせ、意を決しました。
登るっ!

山頂まで2.7km。途中までは管理道路らしく車が通れる道幅になっている。山頂までは通常なら40〜50分というところだが、山頂到着の頃は真っ暗だろうから1時間とみた。
これを少しでも縮めるため、それからLEDライトの電池残量がまったく不明なのでライトを使う時間をできるだけ短くするために、走った。
登りを15分も走ると道幅が狭くなりいよいよ登山道になった。

しばらくはライトを使わず視線を足下に集中して歩き、急坂に差し掛かった所で靴紐を締め(足元を十分に確認できないままで靴の中で足が動くと危険)、バックパックからLEDライトを取り出した。
小型でもLEDライトは光量充分で足元の安全を確保できる。
このライトが生命線(大袈裟な)だから、万が一にも無くすことが無いようにバックパックの胸ベルトにフッキングした。

ライトを点けると照らした所だけが白く明るく見えて、ほかは真っ黒だ。
いろんな物の影が後ろに流れ動いて気の持ちようによっては不気味だ。
ライトに寄って来る虫がいないのは嬉しかった。

今回はGPS端末をしっかり持って来たので迷子になる不安はかけらも無かった。
心細さを我慢し邪念を持たない様にひたすら前に進むことに集中して無事に山頂に辿り着いた。
山頂の神社に二礼二拍一礼でここまでの無事に感謝と、これからの下山の安全を祈願した。

水をゴクリ。
ふぅ、下の人里までは20分くらいで下りれるやろ。

下山中、暗闇の向こうから猫の鳴き声が聞こえた。
ドキッ。
ライトで前方を照らすと暗色の毛の猫がいた。
近付くと少しだけ藪に身を隠した。
「どうした、こんなところで?」
「みゃぁ」
よおく見ると右足付け根あたりに肉が露出するけがを負っていた。
こいつに関わっている暇はないな。
「じゃぁな」
「みゃぁ」

先に進む。猫の声がどんどん遠くなる。
ここで怪談「化け猫」が脳裏に浮かび背中にさぶいぼが立った。
そして突然、稲荷神社が目の前に現れた。
やった、人里だ。
下りの急階段で右膝の裏が痛む。昨日からのダメージがピークになっている。

アンダーパスを通って二日市温泉・博多湯へ。
湯に浸かって脚をマッサージする。
「腹減ったなぁ」

体育会系と思しき短髪の高校生二人が同じタイミングで湯に入った。
筋肉が隆々として男のシンボルも逞しく自己主張している。
見るのが眩しい。
我が身はだぶつきは無いが逞しさも無いなぁ。と、彼らの若さが羨ましくなった。


今回のハイキングはスタートが遅くなっただけでなく、つまづきが2回もあり散々ではありましたが、基山山頂で鎌首をもたげる蛇(たぶんマムシなのでは)を見たり、大迂回になってしまった林道で寒さでか動けなくなった蛇を見つけたり、夕陽が作る自分の影写真を撮れたりとそれなりに楽しめたのは良かった。


基山についてはもう一度登って今度はゆっくりと史跡めぐりしてみたいと思った次第。