ブレスレット 〜田園都市線にて〜

12月18日15時15分渋谷で田園都市線・急行中央林間行きに乗り込んだ。
ドアから吐き出される乗客の流れが切れて、車室の床が露わになった。
床にはブレスレットが落ちていた。
パンクなデザイン。
黒い輪に四角錐のメタルがあしらってある。
小さい径。
若い女の腕をするりと抜け落ちたのだろう。


ついさっきまで持ち主だった女は、気づいて舌打ちしてるに違いない。
もはや女の手に戻ることはない。
青葉台で電車を降りた時、それはそこに無かった。
その行方は知る由もない。
新しい所有者がポーチにそっとしまったかも知れない。


持ち物はひょんなことで無くなるもの。
ひょんなことというより「無意識のうちに」と言い換えた方がいいかな。
扇子や傘、マフラー、メガネ、無くした物は数知れない。
信じられないことにスーツの上着を無くしたことがある。
大事な物を無くした時など、心の一部を無くしたようになり、
しばらくふさいでしまうことがある。


物というのは虚しいもの。
無意識のうちに無くしてしまうのは詮なきこと。
もし無くしたくなかったら、貸金庫にでも預けておくことをお薦めする。
そうすれば無くなるリスクはかなり下がる。
でもそれを引き出す前に自分が息を引き取るかも知れないね。^^;


capは出張中。

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