東京は新大久保駅前の業務スーパーあたり

JR新大久保駅の改札を出るとすぐに片道1車線の道路がある。
右側はJRの高架と交差している。
左側は色んな店舗が密集している。
看板の色具合や文字など見慣れた商店街のそれとはどことなく「違う」と感じ
させるものがある。
ここにはアジアの人々が多く住んでいる。
無造作に停めたチャリや店舗からはみ出した台などですっかり狭くなってしまって
いる歩道で、すれ違ったカップルの交わす言葉の語尾の調子に、日本人ではない
ことを気付かされ、びっくりしたことが何度もあった。
アジアの人、南米の人、肌の黒い人、そういう人達がすっかり町に溶け込んでいる。
アジアの人達が多く住む博多のようだと思った。
日本人の学生も多い。


駅の改札を出て少し左にある信号機付き横断歩道を反対側に渡り左に進むと
40mくらい先に業務スーパーがある。ここで買い物をした。
入り口が狭く縦に長い。奥は右側に少し膨らんでいて冷凍食品売場になっている。
昼の3時半過ぎ。お客は多く、作業服っぽい服装の男性が多かった。
レジは縦に3列並んでいて、稼動してたのは2つ。それぞれに若い女が立ち、
次々と手際よくお客の列をこなしている。
手前のレジの女は次のレジが空くとそこにお客を誘導する役もしている。
全体状況を捉える無感情な横長の目で
「はい、つぎのレジへどうぞぉ〜」
そうすると次のレジの女が、こちらも無表情に
「はぁい、どうぞぉ〜」
たくさん買い込んだ中年の女客が「どこで袋詰めするの?」と問うと、
「はぁい、外に台がありまぁす」
と短く答える。愛想は無い。しかし無駄も無い。
長いと感じた列はどんどん消化されていく。
有能なレジ係だ。

外に出ると確かに薄汚れた台が2つ並べてあり、買い物籠から袋詰めしている
お客が数人いた。
歩道の有効幅はここが一番狭くなっている。通行客はここで渋滞する。
チャリを押す人もいる。チャリ同士が当たって倒れそうになる人も。
誰も文句は言わない。このスーパーが無くなったら困るもんね。


4mもない狭い路地を挟んで隣にはラブホがある。老舗っぽい。老舗と言うのは
おかしいかな^^;
そのラブホの壁沿いにチャリがいっぱい停めてある。
ラブホの店員なのか、ミニスカートから太い足を突き出した若い女が、そのチャリ
達を真剣な表情で整理していた。


活気が溢れている。
ラブホがあろうが関係ない。
決して豊かな人々には見えない。でも活き活きとしている。
会話しながら元気に歩いている。
ここで幸せを感じている人がきっとたくさん居る。
会話があるから元気になる。
一人じゃない。
独りじゃない。^^/