ホルモン焼きの「八つ当たり」

鹿児島天文館の二官橋通り、電車道から入って2つ目の辻を左に入ると、
道の両サイドに小さい店がずらりと並んでいる。
その左側3〜4軒目あたりの「八つ当たり」というホルモン焼き屋の暖簾を
くぐった。


出張の若い同僚とふたり。
彼もブログ読者。「酒をやめる宣言」を知っている。
「酒は飲まないんですよね?」
「そうそう、ソフトドリンクがあればいいんだけどね」
「それより、メインは美味しいホルモンだよ」
「そうですけど、もう晩飯は鹿屋の竹亭でとんかつ食べましたから、
美味しいホルモンを食べながら旨いビールを飲みたいですよね。」
「うん、これまではそうだった。」
…これからは、そうしないんだってことを、体験してこの身体と精神に叩き
込まなきゃだ…
心の中で呟いた。


若いマスターが一人。
カウンター席のみで10人程度で満員になる。
我々は入って3つ目と4つ目の席を陣取った。
先客は、席2つ離れた奥に女性を挟んで男二人の3人組だけだ。


マスターが近づいてくる。
「この店は古いの?」
「いやぁ、まだ4年です。」
「ふ〜ん、それで、何かおすすめの一品はある?」
「はい、ありますよ。漬けホルモン(大腸)と漬けミノ(胃袋)が一押しです。」
「おっ、それ美味そうですね。それいきましょうよ。それと生二つ!」
若い同僚が頼んだ。
…うっ、ここで、いや、ビールは1つでいいから、なんて言えないよなぁ。
このTPOで禁酒を貫くのはきつい…
…ま、いいか。飲むのはこの1杯だけ。ちびちびやろう…


凍ったジョッキグラスに満々と注がれたビールが目の前に置かれた。
「はいどうぞっ。ご注文は、漬けホルモンと漬けミノでよろしいですか?」
「あっ、ハツ(心臓)とキムチもお願いします。」と若い同僚。
…うぅ、ビールがめっちゃうまそうだ…
「さっ、乾杯しましょ!」
「あっ、そうだな。ま、飲むかっ。カンパーイ!」


あっさりと酒やめる宣言が崩れた。
あまりにもあっけなく。


しかし、飲んだのはこの1杯だけ。
これまでの自分なら1杯ではすまなかったはず。


それにしても、漬けホルモンと漬けミノは美味かった。
脳が、また来たい店リストに勝手に書き込んだに違いない。^^/


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