旅・長崎・最終日1) 平和祈念式典

ドーミーインのカプセルで目覚めたのは4時半。
ケータイでブログを更新(旅・長崎・中日1)した。
6時半に大浴場へ。
ひげを剃り、歯を丁寧に磨いて浴槽にドボン。
今日は、原爆記念日
平和記念式典に参列する。
この日の長崎市街はどんな感じなのか?
普段と違うのか?
会場の平和公園に集まる人々は、どんな感じで集まってくるのか?
そんなことに注意しながら昼まで過ごすつもり。
12時半にはチョージョさんに会う。


7時にチェックアウト。
100円の領収書を貰う。


お腹が空いている。
ひとまず長崎駅まで歩く。
コンビニでパンを買って朝食とする。
歩きながら食べることにしよう。
長崎駅から平和公園までは3km程度。ホテルから長崎駅までが2km程度。
これなら、コンビニに寄っても1時間程度、だから、8時過ぎには着くぞ。
朝日が作るビルのなが〜い日陰を拾い歩きしながら長崎駅へ向かった。
県庁のあたりは丘になっていることを知った。
駅前のファミマであんぱん一つといろはすを買う。
歩きながら食べるつもりだったが、バスセンターの前を通り過ぎた時、
ひんやりとした空気に身体が包まれた。んっ!?と立ち止まり、中を覗くと、
おぉっ、待合席が空いているぅ。
すぐに中に入り、バスを待つ通勤・通学の人々に混ざって一番先頭の席に
腰を下ろした。
涼しい中で朝飯のあんぱんを食べた。
この時のcapは、ある意味目立っていたかも。


さぁ、平和公園に行くぞ!
長崎駅から市街北部に向かう。
すたすた歩く。
通勤・通学の人々に逆行するかたち。


道路に並行に回転する観覧車のあるココウォークを横目で見ながらひた歩く。

開業前には観覧車の向こうのマンション住民から相当な苦情があったらしい。
そりゃそうだろうなと納得する。


浦上駅の交差点に着いた。
この駅でチョージョさんと待ち合わせることにしたんだけど、適当だろうか?
ここから平和公園までの距離感を、道行く通学中の男子高校生に尋ねた。
歩きながら、「すみませ〜ん」
彼が振り向く。「ちょっと教えてくださ〜い。」
いちいち語尾を伸ばす。「平和公園はこの道の先ですよね〜?」
「あっ、はい。」
と短い返事。「まだまだ、遠いですかねぇ〜?」
「えっ、あぁ、まだまだ遠いです。」
あれ、おうむ返しだなぁ。どれくらい遠いの。「10分やそこらで行けますか?」
「いやぁ、もっと遠いです。」
具体的じゃないなぁ…。「そうですかぁ。ありがとう。」

う〜ん、5分や10分じゃないことは分かった。
ここで待ち合わせるとなると、式典が終わってから戻ってくるのは大変だし、
チョージョさんより自分の方が遅れるかも知れない。こりゃ、変更だ。
なんて思いながら平和公園に向かう。


長崎駅前には警察の姿があったが、浦上駅には無かった。
しかし、原爆資料館あたりには警備する警官がいた。
よく見ると、福岡県警の文字が見える。応援の部隊なんだな。


原爆爆心地に8時4分に到着した。平和公園はもう少し先だ。
8時11分、平和公園入り口はものものしい様子だった。

警察官に12時半くらいの交通規制はどんなものかと尋ねた。
「その頃は、もう解除されとるでしょうね」
ふぅん、でも渋滞が残ってるかもしれないなぁ。
待ち合わせ場所は平和公園近くのホテルが良いかも知れない。
式典の参列席を確保したら連絡しよう!


8時17分、式典会場に入る。
入る前に金属探知機のチェックゲートをくぐった。
パソコンやポケットルーターが反応して、ボディチェックを受けた。
パソコンの電源入れてみろだのの、うるさいことはなく、あっさり
通してくれた。


会場は白く大きなテントで包まれていた。

一番前が貴賓・来賓席。
次が遺族席。
最後にほんの付け足しの一般席。
capは一般席の一番前に座った。


式典の開始時刻は、10時35分。
会場は徐々にかつ加速的に埋まっていった。
中学生のボランティア達が冷たいおしぼりと丸い紙パックの静岡茶を無料で配っていた。
参列のお礼と熱中症対策を兼ねているのかも。
何はともあれ、とてもありがたい。


係員によるマイクと音響のチェックがあり、男女高校生の司会者のボイスチェック、遺族のコーラス団のリハと進み、会場は式典モードが高まって来た。

テント内の席は完全に埋まって、両サイドに立見も出始めた。


そして、不安に思っていたことが起きた。


cap達の一般席と最後部の遺族席の僅かな隙間に、遅くやって来た人達が立ち始めたんだ。
さすがにこれは許しがたい。
一般席に座った人達の視界は遮られてしまうからね。
まったく、どういう神経してんだろうね。

お願いして、どいていただいた。


しかし、capにとって問題はこれだけじゃなかった。
ひっきりなしにこの隙間を通る人がいるのだ。
capの足にぶつかったり、capの荷物を倒してくれたりで、心安けく居ることなどできなかった。
そもそも式典の舞台など、遠過ぎて見えない。
だから目を閉じて静かに耳を澄ませておこうという目論見は、無惨に打ち砕かれてしまった。
capの平和祈念式典初参列は、あっという間に終わった。


はっきり言って、心に何も残らなかった。
あぁ、なんてことだ。
この未熟な心が何かを感じるはずだと期待していたのに。


隣の青年も同じ思いだったらしい。
彼の方を見ながら、
「いやぁ、とんでもない席に座ってしまった。ここは良くないね。」と大声で話しかけると、
「ほんとですね〜。あんなに早い時間に来たのに。」
と、がっくりと肩を落としていた。


覚えているのは、式典のさ中にシュプレヒコールが遠くに聞こえたことくらいだ。


式典が終わるまで我慢していた空は、静かに雨を落とし始め、5分後には本降りとなった。


傘を差しパークサイドホテルに向かった。
チョージョさんには、10時過ぎに待ち合わせ場所をパークサイドホテル前に変更しましょうとメール済みだ。


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