桜島上空の月食

鴨池港から垂水市に向かうフェリーの甲板で月食を観た。桜島のてっぺんに取り憑いた雲の上に顔を出した時、月食は既に後半のプロセスに入っていた。真っ黒な闇からくすんだ黄色に輝く月が顔を出し始めたところだった。
じっと観察していると、ゆっくり時間をかけて少しずつ大きくなる様が、さなぎから成虫に変化するセミの脱皮のように感じられる。
いやそうじゃない、漆黒のバリアを破ってこちらの世界に入り込もうとする邪悪なるものにも見える。
ほら待っていろ、もうすぐお前らを喰ってやる。
周辺の雲が、おどろおどろしさを醸し出している。


だいぶ明るくなって来た。影から9割方出て来た。
今度は、線香花火の玉が紙紐の先から今にも落ちなんとする様に見える。
う〜ん、傘の無い裸電球のようだなぁ(^_^)


あ、間もなく垂水港に着岸だ。