平戸ドライブ

16日・日曜の朝07:30博多発のハウステンボス号で早岐に向かった。行く先には楽しみが待っている。


早岐駅でチョージョはんとサンジョが待っていてくれた。改札機から身を乗り出して手を振る2人に大きく手を振って応えた。


まずは3人で平戸ドライブだ。
サンジョのダイハツ・ミラは快調に秋晴れの山間、川沿いを駆け抜け、平戸に1時間半で運んでくれた。平均燃費が22km
は立派!


真っ赤な平戸橋の手前で平戸市方面を眺める。眼前に川の様な海が左右に広がっている。潮の流れが速そうだ。岸辺から釣り人が糸を垂らしている。

平戸市街と思える辺りの右端に真新しい白壁が美しい建物が小さく見える。
「きっとあれがオランダ商館だよ。」と言うと、お二人は「違うよ、違うよ。」と口を揃えた。


行ってみると、やはりお目当てのオランダ商館だったのだ。
エヘン!


観光案内所には男女二人の案内人がいて、平戸はいいとこ住みにおいで、と言わんばかりに一生懸命説明してくれた。
あまりに一生懸命で二人がお客を取り合っている様に見えたなぁ。


歴史を感じさせてくれる街並みを歩き、昼にはくじらの竜田揚げに海鮮ちゃんぽんを食べた。海鮮具材は一つ一つ食べるとしっかりと味があり、ちゃんぽんの正しい食べ方はかくあるべきと思ったのであった。

平戸ツアーの締めは温泉ということで、田浦温泉に行く計画だったが、案内所で「あそこは泊まり客だけしか入れんよ。」と言われ、割引券をくれたので蘭風温泉に行った。


ここでは、思いもよらぬ体験をした。
露天の岩風呂の端の岩に一人ぽつんと座ってぼんやりしていた時、岩場を、辺りの様子を窺いながらゆっくりcapに近づいて来るモノに気付いた。そのモノは四角い身体に足がいっぱい付いていて、立ち止まっては棒の先の目をいっぱいに伸ばしてこちらを見ている。
カニだ。甲羅の大きさは6cm角くらい。歩く姿の足先から足先は10cmくらいのやや大きめだった。


岩陰に身体を隠し、足と棒の先の目をゆっくり岩陰から出してこちらを見る仕草は、まるでcapとかくれんぼをしているようだ。
それならと、こちらも目を大きく見開いてカニくんの淡い黄緑色の目をじーっと凝視した。すると、しまったでも思ったかのように岩陰に隠れた。
「ややっ、こいつはほんとに俺を見ていたんだな。こいつはおもしろい。こうなったら、こいつがどこに行くのかじっと見てやろう。」
身体を動かさず、顔の向きを少しずつ変えながら、目だけでカニくんを追った。


ゆっくりだが確実にこちらに近付いて来る。カニが自分から人間に近づいて来るなんて、めったにあることじゃない。これは観察しない手は無いよね。^^/


岩肌を登る。下る。
capの目線に身体を晒しているのを承知の上なのだと思う。歩を止めない。
これは大胆すぎる。多分、読み切ったのだろう。
「この人間は、オラに危害を加えようなんてこんりんざい思っちゃいねーな。おまけにあいつはすっぽんぽんだからこっちにゃこねーな。」とね。


ついに至近距離、50cmまで近付いて来た。岩陰に隠れ、ちらちらと淡い黄緑の目でcapを観察し、やがて堂々とタイルの床に下り、藪の中へ消えて行った。


不思議なカニとcapの関係だった。


2年前の、近付くcapから逃げない2羽のめじろの不思議な体験を思い出した。
生き物には、危険な相手を見抜く力が有るんじゃないかなぁ。