団塊男は世間弱者

混んだマック内でのこと。
老夫婦がバーガーを持って空き席を探している。
壁際に並んだ小テーブルが2つくっつけられて、その上にストローがさしてあるジュースの紙コップがぽつんと一つ置いてある。
ご婦人は躊躇なくそこに行きその紙コップを端に寄せ自分達のバーガーが乗ったトレーを2つの小テーブルの中央にどんと置いた。キャップをかぶったご主人はすぐには座ろうとせず、そこに先客がいたのではないかと案じているようす。
夫婦間で二言三言交わした後、二人とも腰を下ろした。
誰かいるんじゃないか?
いいのよ、だってこれ空じゃないの。
誰か来たら、謝ればいいじゃない。
そうか、、、


ご主人が案じた通り、すぐに先客が現れた。どうなるんだろうとながめていると、
ご婦人は満面の笑顔で先客に声をかけた。ついさっきご主人に向けたきつい顔とはまったく別の優しい微笑みかけだった。
先客は、紙コップを持って立ち去った。
老夫婦は事なきを得た。



それにしても、女の逞しさよ。
男のひ弱さよ。


川崎駅前のマックにて。