雄の本能

男は従うべき女を常に求めている。
従うというより、拠り所とする女を求めている。
それが心に安寧をもたらすからだ。
男は女がいないと平穏に生きて行くことは出来ないのである。

命の多様性を獲得するために雌は雄を作った。
雌は雄を育て、やがて交わり子孫を残す。
子孫繁栄は雌の目的である。
雄はそれを手助けする存在なのだ。
雌に求められ働く。
これが雌に作られた雄の本能なのだと思う。

雌が雄に求めることがなくなった時、雄は自分を求める雌を探し始める。
雌は子孫を育てる。子孫に雄がいるなら、これが働けるようになるまで育てる。
そうなると初めに交わった雄は不要となる。

雌を中心に一族が増え、集団となる。

雄はやがて群れを追われる。もちろん、最強であり続けるなら追われることはないだろうが。

雄にとって永遠の愛は無いのである。

たった一つだけ永遠の愛を獲得するケースがある。
それは、雌が何らかの理由で、その雄を永遠に必要とするケースである。
雌が自分だけでは群れを育てることができないケースである。
雌は雄に頼る。
雄はそれを丸呑みにして献身する。
それを愛だと信じる。