NHkの「アイスマン」を観て

アルプス山脈で20年前に発見されたアイスマン。C14炭素年代測定で5300年前の遺体ということが分かったそうだ。
これを完全解凍し体の内部から組織を採集して様々なことを調べたところ、、、
パンを食べていたこと、
身長160cm、体重50kg、筋肉質、
乳食に耐えられない体質であること、
体のあちこちに煤によるタトゥーがあり、これが現在の鍼灸のつぼと一致すること、これは鍼灸治療を受けていたことを示すもので、優れた文明を持っていたことになること、
青銅製の斧や獣の皮で作った靴や衣類、
多様な食事、
ハーブなどを嗜好していたそうだ。
何だか、それなりに幸せな生活を送っていたんじゃないって思うよね。


ところが、
彼はどうやら殺害されたらしい。
背後から弓を射込まれその矢じりが体内に残っていた。おーっ、怖い〜。
そして右眼窩にひびがあり頭蓋骨内に大量の出血痕があったことから、背後から弓を射込まれた後、石などで顔面を強打されたらしい。
犯人は弓の柄を引き抜き犯人を特定できる証拠を残さなかったと推理できるそうだ。
この頃から争いがあったということだね。


それにしても、5300年前といえば世界最初の大文明であるメソポタミア文明が始まった頃でエジプト文明はまだ始まっていないと定義されているわけなんだよね。
実は個々の技術や嗜好などは小さい集団の中でぼちぼち始まっていたことを示していると思えるよね。
例えば青銅精錬などはもっと数百年前から始まっていたのではないかなぁ。
決して鋭いとは思われずかつ重い矢じりを付けた矢を、皮の衣類を身に付けた人間に射込むということは、相当の強弓だったと思われるわけで、恐らく現代人よりはるかに強い筋肉を纏っていたんだろうね。


文明は一夜にして成るわけもなく、都市という大人口の集団が出来上がるには相当の時間が必要なわけで、当時はある程度の群れと呼んで良さそうな人数で集団生活していたんだろうね。
群同士の争いは日常茶飯事だったかも。
と言っても戦ってばかりでは群れを支える人数が減るばかりなので、数年とか数十年間隔で争いが起きたんだと思う。
つまり人数が増えるとテリトリーを広げるのが自然な流れで、そうなると他の群れと接触する機会が増え、争いが起きるっていう連鎖だけどね。
そういう流れの中で、優れた道具を持つグループが生き残り、合体してより大きくなって行く。
争いは更なる道具の進化を促す。
食料の選択肢も増えて行く。
食べ方も多様になって行く。


一方、優れた統治が不可欠で、力による服従だけで強大になった集団と、富の配分の仕組みと優れた道具、食料の保存法などを持った先進集団というような色分けが出来たんじゃないだろうか。


日本の文明は全て大陸や半島からやって来たものという誤解があると思うけど、5300年前の我がご先祖様達もきっとこのアイスマンのように人生を楽しんでいたんじゃないかと思いますね。
自然に順応して混ざりっ気なしの幸せを手に入れていたんだよ! きっとね。(^o^)