Movie Article 「東京難民」

150720Mon「東京難民」
普通の男子大学生が、ある日突然貧困に陥る。
それはこの時代の「普通」の背景にある漠然とした不安がテーマだ。その不安とは?

望むことに枯れてしまえば、楽になる。
そしてそこでも幸せを感じられる。

僕らの歓楽は狂気の世界の裏側にある。
愛と快楽を味わい過ぎると忍び寄る狂気に気付かない。
愛と快楽は狂気の裏世界に支えられているかも知れない。
人は男も女も愛と快楽を求めずにいられない。
平凡で平穏な生活の一枚向うに狂気の世界が寄り添っている。
そういうリスクを人間社会は常に孕んでいる。

格差社会という
レイヤー社会
上位レイヤーは下位レイヤーに支えられている。
下位レイヤーが無くなったら上位レイヤーも壊れる。
最下層レイヤーにも幸せはある
上位レイヤーを見てしまうと嫉妬と羨望が湧き上がる。
下位レイヤーを見ると軽蔑と優位が湧き上がる。
裏レイヤーを見ると恐怖と絶縁が湧き上がる。
裏レイヤーから表は近くてはるかに遠い。
表から裏に、上位から下位に、簡単に落ちる。

元々レイヤーは一枚だったはずだ。
人々が集まり農耕を知り富を蓄えるようになってからレイヤーが生まれた。
一般と支配だ。
一度生まれたレイヤーは元には戻らない。支配レイヤーも一般レイヤーも細かく分かれて行く。
そして中間レイヤーが生まれる。
中間レイヤーは被支配感を持たない。
お気楽だ。心はノーリスクだ。
そして最も人口が多い。
当然、ここから薄く広く富を吸い上げる者達が出てくる。
それが裏レイヤーだ。

裏レイヤーはブラックホールのように表から富を吸い上げる。
吸い上げマシーンは快楽・歓楽・擬似愛・金欲・情だ。

裏レイヤーの自分を終わらせるのは、やはり人の心だ。
恐怖心を乗り越える乾いた強い意思だ。
そんな事を漠然と感じた。

落ちるヒロイン:大塚千弘が気に入った。
裏レイヤーの先輩:じゅんやも良い。